運動は血圧を下げる?上げる?

高血圧の人は運動をしても大丈夫なのでしょうか。
ウォーキングや自転車などの有酸素運動が血圧を下げることはすでに確認されています。体を動かすことは、血圧を下げるだけでなく、体脂肪を燃焼させて体重を減らし、血糖や脂質のコントロールを改善する働きがあり、健康な体を維持するためには効果的な方法です。逆に、体を動かさないこと(身体活動量の低下)によって、脳卒中や心臓病を発症するリスクが高くなることが分かっています。

血圧が高いからと一日中じっとしているのではなく、生活の中で積極的に体を動かし、活動量が低下しないように心がけましょう。

ただし、収縮期血圧(上の血圧)が180mmHg以上、拡張期血圧(下の血圧)が110mmHg以上ある人は、食事療法やお薬で血圧を下げてから運動を始めるようにしてください。特に、高齢者や、血圧以外にも病気がある人は、事前にかかりつけ医に相談し、運動を行ってよいかどうか確認してから実施しましょう。
参考)高血圧治療ガイドライン2014

ウォーキング

どのくらいの運動がちょうどよいの?

血圧を下げるには、表に示したような運動が勧められていますが、必ずしも「運動」にこだわらず、日常生活の中で、じっとしている時間を減らすだけでも十分な効果があります。運動の時間や強さにとらわれず、お風呂掃除や窓拭き、洗濯物を干したり、買い物したりなど、まずは、生活の中で行う身体活動を増やすように工夫しましょう。

なお、早朝のウォーキングや、息をこらえて行う運動(重いものを持ち上げるなど)は血圧が上がりやすいので注意が必要です。

お風呂掃除

効果的な運動の強さや量

※米国の心臓学会やスポーツ医学会では、効果的な運動の強さや量(時間と頻度)を提唱しており、日本でもこれに準じた運動を勧めています。

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福島県立医科大学 放射線医学県民健康管理センター

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