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福島第一原発事故後の外部被ばく線量を評価する際に影響を及ぼす要因の解析-飯舘村住民における屋外滞在時間- An influential factor for external radiation dose estimation for residents after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident—time spent outdoors for residents in Iitate Village

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
放射線医学県民健康管理センター:石川徹夫
【共同著者】
放射線医学県民健康管理センター:安村誠司、大津留晶、
坂井晃、林正幸、大平哲也、神谷研二、阿部正文
放射線医学総合研究所:赤羽恵一、米内俊祐
放射線影響研究所:坂田律、小笹晃太郎
掲載「Journal of Radiological Protection」(36巻(2016年))
関連リンクhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27034103

福島第一原子力発電所の事故以降、住民の線量評価に関して多くの調査がされてきました。屋外で測定された空間線量率のデータをもとに外部被ばく線量の評価を行う際に、屋外滞在時間は影響を与える因子の一つです。というのは木造家屋の場合、屋内にいる間は建物による放射線の遮蔽効果によって、屋外にいるときに比べて約40%の線量になると評価されているからです。

事故後に住民が実際に屋外で活動した時間に関する情報はほとんどなかったため、事故後の線量評価において1日あたりの平均屋外滞在時間については、いくつかの異なる値が用いられてきました。最も保守的な評価としては24時間(1日中屋外にいた)という仮定ですが、一方で国連科学委員会の2013年報告書では典型的な屋内労働者について2.4時間という値を採用しています。事故後の外部被ばく線量評価で良く用いられてきた仮定は、1日あたり屋外で8時間、屋内で16時間過ごすというものでした。

福島県立医科大学では基本調査として、住民個々人からご回答頂いた事故後の行動記録をもとに、外部被ばく線量の評価を行ってきました。本研究では、これらの行動記録を解析し、1日あたりの平均屋外滞在時間を評価しました。1例として飯舘村について、4か月間の行動記録をご回答頂いた方から170人を無作為に選んで解析したところ、1日あたりの平均屋外滞在時間は2.08時間という結果になりました。170人に関する分布を下図に示していますが、およそ半分の方は1時間以下です。

図1.jpg

1日あたりの平均屋外滞在時間として8時間の代わりに、この2.08時間を使用した場合、評価される外部被ばく線量は約25%減少することがわかりました。すなわち、1日あたり屋外に平均8時間いるという仮定を用いて評価した外部被ばく線量は、実際より過大評価となっていることが示されました。