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福島の原子力発電所災害が乳幼児を持つ母親のうつ症状に及ぼす影響:「福島県民健康調査」による県規模の横断的研究 Immediate effects of the Fukushima Nuclear Power Plant disaster on depressive symptoms among mothers with infants: a prefectural-wide cross-sectional study from The Fukushima Health Management Survey

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座:後藤あや
【共同著者】
Evelyn Bromet、藤森敬也
掲載「BMC Psychiatry」(2015)

【背景】
乳幼児をもつ母親は原発事故後に、メンタルヘルスへの影響を受けるリスクが高いと言われています。福島県は妊娠届出制度を利用し、事故当時妊娠していた女性と彼女らの児の健康状態を把握するための調査を開始しました。本研究では、対象者のうつ症状と、居住地域および事故後の産科ケアの中断との関連を明らかにすることを目的としています。

【方法】
福島県に居住し2010年8月1日から2011年7月31日の間に妊娠を届出た女性を対象としました。対象女性16,001人の内、9,321人が回答し(回答割合=58.3%)、単胎を出生した8,196人のデータを分析しました。また、うつ症状のスクリーニングには二質問法を、地域の放射線レベルは県の定期報告を、事故後の産科ケアの中断は母親の回答を用いました。

【結果】

8,196人の内、2,262人(28%)がうつ症状陽性でした。母親と乳幼児の特性を調整した上で、原子力発電所が位置する地域である相双の母親と産科ケア施設を変更した母親が、うつ症状陽性となる傾向にありました。一方、放射線レベルが相対的に低かった地域であるいわきと会津では、うつ症状陽性となる傾向が低い傾向でした。

【結論】
原発事故対応の緊急期では、乳幼児を持つ母親に対するメンタルサポートの必要性が高いことを示唆しています。特に、メンタルヘルスへの影響の地域格差と、産科ケアが中断したケースに留意した支援の提供が必要です。