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福島原子力発電所の周辺で生活する住民における個人被ばく線量の測定 Measurements of individual radiation doses in residents living around the Fukushima Nuclear Power Plant

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
長崎大学:長瀧重信
【共同著者】
高村昇、神谷研二、明石真言
掲載「Radiation Research」(2013)

2011年3月における福島第一原子力発電所の事故の発生時において、防護と安全の観点からいくつかの仮説を立てて、モニタリングポストでの測定値から住民の被ばく線量が算出されました。しかし、健康影響は個人被ばく線量の測定をもとに推定されるべきです。

最初の4か月の「避難区域及び計画的避難区域」での行動調査によって測定された個人の外部被ばく線量は、住民の97.4%において5mSv未満(最高値は15mSv)であり、福島県全体における被ばく線量は、解析した住民386,572人の99.3%において3mSv未満でした。個人線量計によって測定された福島市での外部被ばく線量は、住民の99.7%において1mSv未満/3ヵ月(2011年9月~11月)(最高値は2.7mSv)でした。避難区域及び計画的避難区域の小児において、NaI(TI)シンチレーション式サーベイメーターを用いて2011年3月に測定された甲状腺被ばく線量は95.7%で10mSv未満(最高値は35mSv)でした。

従って、すべての被ばく線量は、国際機関が提唱している介入レベルである50mSvより低い値でした。ホールボディカウンター(WBC)によって測定したセシウム134(134C)とセシウム137(137C)による内部被ばく量は、99%の住民で1mSv未満であり、WBCによるヨウ素131の甲状腺等価線量の最大値は20mSvでした。

「福島県民健康調査」検討委員会はウェブサイト上で、本事故による放射線被ばくが将来的に健康への悪影響を及ぼすとは考え難いと述べています。いずれにしても、できる限り正確な個人被ばく線量を得るために、真摯な科学的取り組みを継続しなければなりません。

しかし、上述した放射線被ばく線量の健康への影響についての調査には、健康影響を評価するために用いられる手法の再評価が必要です。線量-反応関係は極めて重要であり、本調査の目的は、放射線被ばくの健康影響の有無を確認するために必要な十分なデータを収集することであるべきです。特に、除染の進め方は見直しが必要です。除染マップは、事故初期におけるモニタリングポストのデータをもとにした空間線量率から作成されています。除染の進め方は、このような地域で暮らすことを望む住民の個人被ばく線量に基づいて再評価されるべきです。