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小児および若年者における甲状腺結節性病変の有病率 Prevalence of thyroid nodular lesions in children and adolescents

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
放射線医学県民健康管理センター:志村浩己
【共同著者】
鈴木眞一、福島俊彦、緑川早苗、鈴木悟、林田直美
今泉美彩、大久保礼由、浅利靖、二川原健、古谷文彦
小谷和彦、中路重之、大津留晶、赤水尚史、貴田岡正史
高村昇、阿部正文、大戸斉、谷口信行、山下俊一
掲載「Fukushima Journal of Medical Science」(2014)

これまでの福島県の放射線量に関する研究結果より、同県における放射線関連の甲状腺がん発症リスクは、チェルノブイリにおける事故でのものと比較し、極めて低いであろうことが示唆されています。しかし、福島県民の長期的な健康状態を見守るために、甲状腺検査を含む「福島県民健康調査」が開始されました。

甲状腺超音波検査による結果の適切な解釈には、小児および若年者における甲状腺結節とがんの正確なベースライン有病率が必要とされています。本論文では、子供及び青年の甲状腺結節性病変を研究したいくつかの報告を再検討しましたが、疫学的データが依然として不十分であることは明白です。さらに、超音波診断技術における最近の進歩は、甲状腺嚢胞、結節およびがんの検出率向上をもたらす可能性があります。

甲状腺がんの診断に関する戦略の変遷もまた、甲状腺がんの有病率と発症率を変化させる可能性があります。小児甲状腺がんの発症率の増加がチェルノブイリ原子力事故の4~5年後に認められたことから、今後数十年にわたる福島県での甲状腺超音波検査による結果を正確に解釈するためには、4~5年以内に厳密な質的な管理の下で高度に標準化されたプロトコルによる甲状腺超音波診断検査を実施することが極めて重要です。