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東日本大震災後の福島県「県民健康調査」の一環として2011年~2012年に総合的健康診査を受けた15歳以下の居住者に関する基礎データ THE BASIC DATA FOR RESIDENTS AGED 15 YEARS OR YOUNGER WHO RECEIVED A COMPREHENSIVE HEALTH CHECK IN 2011-2012 AS A PART OF THE FUKUSHIMA HEALTH MANAGEMENT SURVEY AFTER THE GREAT EAST JAPAN EARTHQUAKE

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
福島県立医科大学:川崎幸彦
【共同著者】
福島県立医科大学:細矢光亮、安村誠司、大平哲也、佐藤博亮、鈴木均、
坂井晃、大津留晶、高橋敦史、神谷研二、山下俊一、阿部正文
放射線影響研究所:小笹晃太郎
放射線医学総合研究所:小橋元
掲載「Fukushima Journal of Medical Science」(2015)

【目的】
福島県における東京電力の福島第一原子力発電所事故後の居住者の長期的な健康管理を支援し、健康への影響を評価するため、福島県は、「県民健康調査」を実施することを決定しました。本報告では、健康診断を受診した15歳以下の居住者の結果について記述し、2011年および2012年に得られたデータを評価します。

【方法】
対象群は、避難区域で生活していた15歳以下の居住者から構成されました。居住者から健康診断申請のあったすべての受理者に対して健康診査が実施されました。必要に応じて、身長、体重、血圧、生化学的検査所見、および末梢血所見を含む審査が実施されました。

【結果】
1)2011年及び2012年に、それぞれ、総数17,934人(64.5%)および11,780人(43.5%)の15歳以下の居住者が健康診査を受診しました。
2)両年において、7~15歳の群の男児および女児居住者の多くが肥満、高脂血症、高尿酸血症、または肝機能障害を患っていることが判明しました。さらに、15歳以下の小児では、一般に高血圧またはグルコース代謝異常を患っていることが観察されました。
3)2012年と2011年のデータの比較では、男児、女児のいずれにおいても、2012年に高い頻度で身長の増加と体重の減少が示されました。 2012年の7~15歳の群における男児および女児の高血圧、グルコース代謝異常、または高γ-GTP値の出現率は、2011年より低下していました。しかし、7~15歳の群の居住者における高尿酸血症の罹患率は、2011年より2012年の方が高値でした。

【結論】
これらの結果から、避難区域で生活していた15歳以下の居住者に、肥満、高脂血症、高尿酸血症、肝機能障害、高血圧、またはグルコース代謝異常を発症した小児がいたことが示唆されました。したがって、私たちは、生活習慣病を改善するために、このような居住者に対し健康診査を継続する必要があると考えます。