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福島第一原発事故後の避難区域における住民の心理的苦痛、心的外傷後ストレス、問題飲酒に関する3年間トレンド解析:福島県県民健康調査 Three-year trend survey of psychological distress, post-traumatic stress, and problem drinking among residents in the evacuation zone after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident [The Fukushima Health Management Survey]

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
久留米大学医学部神経精神医学講座:大江美佐里
【共同著者】
藤井千太、前田正治、永井雅人、針金まゆみ、三浦至、矢部博興、大平哲也、
高橋秀人、鈴木友理子、安村誠司、阿部正文
掲載「Psychiatry and Clinical Neurosciences」(2016)

【目的】
長期にわたる不安定な居住環境は、震災被害にあった人々のメンタルヘルスに関する問題の深刻な増加をきたし得ます。本研究の目的は、原子力災害被害地域の成人住民におけるメンタルヘルスの長期的トレンドを調査することです。

【方法】
郵送法で自記式質問票による調査を3回(T1-T3)行いました。対象者は震災時に福島県内の避難地域として登録された市町村の全住民でした。K6を用いた心理的苦痛リスク、PTSDチェックリストを用いた心的外傷後ストレスリスク、CAGEを用いた問題飲酒リスクについて、性別の年齢調整有病率を算出しました。

【結果】
回答数と回答率は73,568名、40.7%(T1);55,076名、29.9%(T2);46,386、25.0%(T3)でした。K6が13点以上の割合は、本邦での一般人口での割合(4.7%)に比して高く、3年後であっても男性で11.4%、女性で15.8%でした。心理的苦痛と心的外傷後ストレスの年齢調整有病率は年々減少していました(PTSDチェックリスト44点以上の割合は男性が19.0%[T1]、17.8%[T3]、女性が25.3%[T1]、23.3%[T3])が、CAGE2 点以上の問題飲酒の年齢調整有病率は男性(20.7% [T2] and 20.4% [T3]; P=0.18)、女性(10.5% [T2]and10.5%[T3];P=0.91)ともに変化がありませんでした。

【結論】
本研究結果は、災害被害者に対して、心的外傷後ストレスや他のメンタルヘルスの問題に対する長期的な介入が強く求められていることを示唆しています。