「県民健康調査」の情報をご提供するサイトです






東日本大震災後の避難生活に伴う食事摂取の不足:福島県民健康調査 Evacuation after the Great East Japan Earthquake was associated with poor dietary intake: the Fukushima Health Management Survey

著者【筆頭著者】
福島県立医科大学疫学講座:章ぶん
【共同著者】
大平哲也、結城美智子、安村誠司、前田正治、大津留晶、針金まゆみ、
堀越直子、鈴木友理子、矢部博興、永井雅人、中野裕紀、高橋秀人、
神谷研二、山下俊一、阿部正文
掲載「Journal of Epidemiology」(2016)

【背景】
震災後の避難生活者の住居形態と食事摂取との相関関係を調査した研究はほとんどありません。

【目的】
2011年の東日本大震災後の避難生活者を対象にした大規模コホート調査のデータを利用して、上記の相関関係を分析します。

【手法】
避難区域の住民を対象に県民健康調査としてアンケート調査を実施し、73,433名から回答を得ました。住居形態についての報告がなかった回答や食事摂取について必要な情報が3つ以上欠けている回答は対象者から除外しています。最終的に、対象者52,314名(15歳以上、男性23,149名、女性29,165名)のデータを分析に使用しました。
避難生活者の住居形態は、「避難所または仮設住宅」、「賃貸住宅またはアパート」、「親戚の家または自宅」の3つのカテゴリーに分類されています。食事摂取は、穀物、野菜または果物、肉、大豆製品、乳製品、魚のカテゴリーに分けて調査を行いました。その食品群において一日当たり第3四分位(Q3)以上の摂取があった場合、その食品群は「高摂取」と定義づけられます。
修正ポアソン回帰分析により、相対リスク比(PR)と95%信頼区間(CI)を推定しました。

【結果】
修正ポアソン回帰分析により、親戚の家や自宅で暮らしている回答者と比べて、賃貸アパートで暮らし、果物と野菜(ジュースを除く)、肉、大豆製品、および乳製品が高摂取の人々のPRと95%CIは、それぞれ0.69(0.61-0.77)、0.82(0.73-0.91)、0.89(0.83-0.94)、および0.83(0.74-0.93)でした。避難所または仮設住宅に暮らす人々の同RRおよび95%CIは、それぞれ0.83(0.78-0.88)、0.90(0.86-0.95)、0.94(0.91-0.97)、および0.91(0.86-0.96)でした。

【結論】
この研究により、震災後、自宅でない場所で暮らすことと、果物と野菜(ジュースを除く)、肉、大豆製品、および乳製品の摂取不足との間に関連があり、自宅でない環境で暮らす避難生活者へのバランスのとれた食事の供給の早期改善が必要であることが示唆されています。