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妊産婦に関する調査
こころの健康度・生活習慣に関する調査


福島原子力発電所事故後における乳児の栄養方法―2011年度福島県県民健康調査「妊産婦に関する調査」を用いて― Factors Associated with Infant Feeding Methods after the Nuclear Power Plant Accident in Fukushima: Data from the Pregnancy and Birth Survey for the Fiscal Year 2011 Fukushima Health Management Survey

著者【筆頭著者】
石井佳世子1
【共同著者】
後藤あや1,2、太田操1,3、安村誠司2、阿部正文1、藤森敬也1,4
福島県「県民健康調査」妊産婦に関する調査グループ
1 福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、2 福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座、3 福島県立医科大学看護学部母性看護学・助産学部門、4 福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座
掲載「Maternal and Child Health Journal」(2016)

【目的】
本研究の目的は、2011年度福島県県民健康調査のデータを用いて、福島原子力発電所事故後の乳児への栄養方法の割合と栄養方法に関連する要因を明らかにする。

【方法】
2010年8月1日から2011年7月31日までの間に、福島県内の市町村から母子健康手帳を交付され、東日本大震災の前後に出産した女性16,001名を調査対象者とし、無記名の自記式アンケート調査を実施した。有効回答8,366名のデータを分析した。カイ二乗検定と多重ロジスティック回帰分析を用いて、放射能汚染に関する不安やそれ以外の理由から子どもに粉ミルクを与えたことに関連する要因を分析した。

【結果】
完全母乳栄養の割合は30.9%だった。母乳と粉ミルクの混合栄養や粉ミルクのみの割合は69.1%で、そのうちの20.3%は、母乳の放射能汚染に関する不安から粉ミルクを与えていた。放射能汚染への不安から粉ミルクを使用した割合は、居住地が避難区域内にある母親、妊婦健診を予定通り受診できなかった母親で有意に高い結果となった。放射能汚染以外の理由から粉ミルクを使用した割合は、居住地が避難区域内にある母親で有意に高く、自主的に県内外の施設に変更した母親では低い結果となった。

【結論】
本調査の結果から、震災後に避難せざるを得ず、妊婦健診を予定通り受診できなかった母親に対し、母乳栄養に関する支援を行うことの重要性が示唆された。