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妊産婦に関する調査


福島県被災住民に対する架電型電話支援の試み

著者【筆頭著者】
柏﨑佑哉1
【共同著者】
前田正治1,2、八木亜紀子1、藤井千太1,2、髙橋紀子1,2、矢部博興3
安村誠司1,4、阿部正文1
1 福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、2 福島県立医科大学医学部災害こころの医学講座、3 福島県立医科大学医学部神経精神医学講座、4 福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座
掲載「精神医学」(2016)

「こころの健康度・生活習慣に関する調査」は、東日本大震災において国が指定した避難区域などに居住していた県民約21万人に対し、こころの健康度や生活習慣を把握し、適切なケアを提供することを目的として、質問紙調査を実施するとともに、電話支援を実施しています。本電話支援は、メンタルヘルスや公衆衛生の専門家から架電するアウトリーチの形態をとっており、このような大規模な試みは本邦でも例を見ないものです。

本研究では、平成23年度の一般(15歳以上)調査対象者に対して行った電話支援の結果から、架電型電話支援の有効性と課題について論じました。
対象者は、K6、PCLおよび主観的健康観によって精神的健康度のリスクが認められた方15,118人としました。そのうち、実際に電話支援を実施できた人数は4,027人でした。

調査の結果、支援対象となる方は、女性、高齢者、県外居住者、精神疾患の既往がある方、睡眠満足度が低い方などに多い一方で、電話支援を実施した結果からは、性別による健康リスクの差は認められず、64歳以下の就労世代(特に35~49歳)や常勤就労者などに健康リスクが高い方が多いことが明らかとなりました。
電話での支援は時間および地理的な制限を受けにくいため、被災者が広域に散在した今般の災害においてきわめて有効に機能したといえます。しかしながら、眼前不在性による相談機能には限界があるため、地域機関といかに連携を図るかが重要であると考えられました。