「県民健康調査」の情報をご提供するサイトです




平成28年度調査オンライン回答はこちらからgtgt
妊産婦に関する調査
こころの健康度・生活習慣に関する調査


複合災害後の日本版心的外傷後ストレス尺度の診断精度:福島県民健康調査 Diagnostic accuracy of Japanese posttraumatic stress measures after a complex disaster: The Fukushima Health Management Survey

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
国立精神・神経医療研究センター:鈴木友理子
【共同著者】
矢部博興、堀越直子、安村誠司、川上憲人、大津留晶、増子博文、前田正治、
福島県「県民健康調査」こころの健康度・生活習慣に関する調査グループ
掲載「Asia Pacific Psychiatry」(2016)

【背景】
心的外傷後ストレス障害(PTSD)チェックリスト(PCL)は、トラウマを経験した人々でPTSDをスクリーニングするのに広く使用されていますが、日本版PCLはまだ検証されていません。私たちは、日本版PTSDチェックリスト特定版(PCL-S)とPCL-S省略版の診断精度を、福島第一原子力発電所事故の避難者において検討しました。

【方法】
51人の参加者を、避難者と臨床場面から募集しました。PCL-S、出来事インパクト尺度改訂版(IES-R)、および世界保健機関の複合国際診断インタビュー(CIDI)を用いました。PTSD診断に対するPCL-S、IES-R、PCL-S省略版のスクリーニング特性を、感度、特異度、および診断効率を含め計算しました。また、受信者動作特性曲線を描画し、最適なカットオフ値を調べました。

【結果】
PCL-Sの感度、特異度、および診断効率はそれぞれ66.7%、84.9%、および79.2%でした(最適カットオフは52で、曲線下面積(AUC)は0.83でした)。PCL-Sカットオフ値法による診断効率の結果は、症状クラスター法よりも良好でした。省略版でも、完全版と同等のスクリーニング特性でした。

【結論】
日本版PCL-Sの診断精度は、中程度で、精神障害の診断と統計マニュアル第4版(DSM-IV)に基づくPTSD診断精度はIES-Rよりもよい結果を示しました。日本版PCL-Sは、信頼性のある有効な測定法であり、その診断精度は完全版および省略版双方で妥当なものでした。