「県民健康調査」の情報をご提供するサイトです




平成29年度調査オンライン回答はこちらからgtgt
妊産婦に関する調査


東日本大震災と福島原子力発電所事故前後での福島県内の妊婦における周産期予後の検討:福島県民健康調査より Obstetric outcomes in women in Fukushima prefecture during and after the Great East Japan Earthquake and Fukushima nuclear power plant accident: The Fukushima Health Management Survey

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
林昌子1,2
【共同著者】
藤森敬也1,3、安村誠司1,4、後藤あや1,4、中井章人1.2
福島県民健康調査「妊産婦に関する調査」班
1 福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、2 日本医科大学多摩永山病院 産婦人科、3 福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座、4 福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座
掲載「Open Journal of Obstetrics and Gynecology」(2016)

【目的】
東日本大震災(マグニチュード9.0)と、これに続く大規模な津波により、福島第一原子力発電所にて原発事故が引き起こされた。本研究では、福島県の妊産婦において、東日本大地震と福島原子力発電所事故の際に妊娠中であった症例と、原発事故後に妊娠した症例において、原発事故の周産期予後への影響を評価する。

【方法】
対象は、福島県で震災前9ヶ月と震災後9ヶ月の間に妊娠した12,300人の妊婦で、推定される受精の時期により、3ヶ月毎に分類し評価した。

【結果】
震災前9ヶ月以内に妊娠した女性では、産科合併症は増加しなかった。一方、震災後6ヶ月以内に妊娠した女性では、早産や低出生体重児が増加した。また、これらの時期に妊娠した女性では、呼吸器疾患や精神疾患の増加もみられた。

【結論】
今回の検討では、震災前に妊娠し福島で被災した妊婦と比較して、震災後6ヶ月以内に妊娠した女性では妊娠合併症の頻度が高いことが示された。妊娠合併症の上昇には震災に関連する不安などの感情的ストレスが寄与していた可能性も推定され、将来の被災地域における妊婦への慎重な対応の必要性が示唆された。今後さらなる調査と検討を要する。