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東日本大震災4年後も継続する避難住民における多血症の発症:経過観察研究 Persistent prevalence of polycythemia among evacuees 4 years after the Great East Japan Earthquake: A follow-up study

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
坂井晃1,14
【共同著者】
中野裕紀2,14、大平哲也2,14、細矢光亮3,14、安村誠司4,14、大津留晶5,14
佐藤博亮6,14、川崎幸彦3,14、鈴木均7,14、高橋敦史8,14、杉浦嘉泰9,14
宍戸裕章10,14、林義満6,14、高橋秀人11,14、小橋元12、小笹晃太郎13
橋本重厚14、大戸斉14、阿部正文14
1福島県立医科大学放射線生命科学講座、2 福島県立医科大学医学部疫学講座、3 福島県立医科大学医学部小児科学講座、4 福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座、5 福島県立医科大学医学部放射線健康管理学講座、6 福島県立医科大学医学部腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科学講座、7 福島県立医科大学医学部循環器・血液内科学講座、8 福島県立医科大学医学部消化器内科学講座、9 福島県立医科大学医学部神経内科学講座、10 福島県立医科大学医学部整形外科学講座、11 福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター情報管理・統計室、l2 獨協大学医学部公衆衛生学講座、13 放射線影響研究所疫学部、14 福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター
掲載Preventive Medicine Reports(2017)

我々は、東日本大震災後の2011-2012年の政府から避難指示のあった13自治体における健康診査(平均1.6年)において、避難をしている住民は避難していない住民と比較して多血症の発症が有意に高いことを既に報告 (Sakai A, BMC Public Health, 2014) しました。

今回は2013-2014年の健康診査に基づく東日本大震災後約4年時(前回の解析から平均2.5年)の多血症の発症状況を解析しました。

対象は避難区域等13自治体の住民で震災前、2011-2012年および2013-2014年の健康診査における末梢血液検査(CBC)の結果のある人で、7,713人(男性 3,349人、女性 4,364人)です。多血症の診断基準は、赤血球数 (RBC)、ヘモグロビン (Hb) 値およびヘマトクリット (Ht) 値のどれか1つが基準値を超えた場合としました。

RBC、Hb、Htの全てにおいて、2013-2014年の結果は2011-2012年のそれらに比べ減少傾向にありましたが、HbとHtは男女ともに震災前の値より有意に高い値を示し、多血症の発症も有意に多いとの結果になりました。また、この多血症の発症は、肥満や喫煙、高血圧症の有無に関係なく避難している住民において有意に多く認められました。多血症の長期化は心臓血管系の疾患の発症とも関係するため、今後も健康診査による住民の見守りが重要と思われます。