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東京電力福島第一原子力発電所事故後の電話要支援者の特徴と電話相談内容 ―平成23年度福島県県民健康調査・妊産婦に関する調査を用いて―

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
石井佳世子1
【共同著者】
後藤あや1,2、 太田操1,3、 安村誠司1,4、 藤森敬也1,5
1 福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、 2 福島県立医科大学総合科学教育研究センター、 3 福島県立医科大学看護学部母性看護学・助産学部門、 4 福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座、 5 福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座
掲載「母性衛生」(2017)

福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センターでは、県民健康調査「妊産婦に関する調査」を平成23年度から開始し、支援が必要と判断された対象者に電話支援を行っています。本研究は、平成23年度調査における電話要支援者の特徴を明らかにすることを目的としました。対象者は震災時に福島県内で妊婦健診を受診または分娩した者とし、自記式質問紙を郵送し、回答者のうち出生に至った8358名です。震災関連要因、分娩経過、母親の要因、児の要因を中心に電話要支援者と非支援者との比較を行いました。

電話要支援者には、被災で妊婦健診や施設の変更を余儀なくされた者、ハイリスク妊娠、帝王切開分娩術、初産の割合が有意に高い結果となりました。また、震災直後は放射線に関する電話相談が多く、電話要支援者は非支援者よりも、放射線の影響を心配してミルクを使用する割合が高い結果となりました。放射線に関する相談に次いで多い相談は、母親自身のことや育児についてでした。緊急時の対応として放射線に関する不安への対応だけでなく、平常時同様の育児支援を、特にハイリスク妊産婦を対象に行うことが重要です。