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福島原子力発電所事故は母親のうつ傾向に影響したが、育児の自信には影響しなかった The Fukushima Nuclear Accident Affected Mothers’ Depression but Not Maternal Confidence

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
後藤あや1
【共同著者】
Evelyn.J.Bromet2、太田操3、大津留晶4、安村誠司4、藤森敬也4
放射線医学県民健康管理センター妊産婦調査室
1 福島県立医科大学、2 ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校、3 福島県立医科大学看護学部、4 福島県立医科大学医学部
掲載「Asia Pacific Journal of Public Health」(2017)

福島原子力発電所事故により広い地域が放射線により汚染されました。原子力発電所事故は特に母子の精神健康度に影響を及ぼすことが明らかになっています。本研究では、福島県で妊娠届出をした女性を対象とした2回の調査から得られたデータを用いて(2012年調査6686人対象、2013年調査6423人対象)、震災関連項目と母親のうつ傾向および育児の自信の関連を分析しました。

うつ傾向の母親は、2012年は25%、2013年は24%でした。育児の自信が低い母親は、2012年は53%、2013年は55%でした。うつ傾向と育児の自信が低いことは有意に関連しているにもかかわらず、母児の特徴を調整した分析の結果、避難と放射線の心配はうつ傾向には関係していたが、育児の自信が低いことには関係していませんでした。これは、原子力発電所事故の母親の精神健康度への影響と同時に、育児おける母親のレジリエンスを示唆するものです。