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個人線量計の測定値の使い方、説明の仕方:福島県4自治体での経験をもとに Using and Explaining Individual Dosimetry Data: Case Study of Four Municipalities in Fukushima

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
福島県立医科大学:宮崎真
【共同著者】
なし
掲載「Asia Pacific Journal of Public Health」(2017)

原子力事故の際に、被ばくに対する防護の計画をするためには、個人がうける放射線量の測定が必要です。東京電力福島第一原子力発電所事故は、行政や科学者が住民の信頼を取り戻すことの難しさ、測定された数値を適切に伝えるためのコミュニケーションを確保することの難しさなど、いくつかの問題を明らかにしました。この論文の目的は、事故後に新たに開発された個人線量計「Dシャトル」を用いた、各地の取り組みに関わったことで得られた教訓や問題点を説明することです。

Dシャトルを用いた取り組みは、個人線量の測定に2つの目的があることを明らかにしました。1つめは、個人線量の測定によって得られたデータを住民が適切に利用し、自分自身の放射線防護のために用いる目的、2つめは、行政による大規模な放射線防護の設計のために、大人数の個人線量の分布を作成する目的です。

取り組みを通じた学びとして、住民と行政の双方が、個人線量を測定することの2つの意味を理解し共有する必要がありました。また測定の結果は、個人のプライバシーや、個人ごとに異なる放射線問題への懸念の内容を尊重した上で活用すべきである、という教訓も得られました。