「県民健康調査」の情報をご提供するサイトです






福島第一原発事故における初期内部被ばくを大気拡散シミュレーションにより計算するツールの開発 Development of a tool for calculating early internal doses in the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident based on atmospheric dispersion simulation

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所:栗原治
【共同著者】
量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所:金ウンジュ、國島直晃、
谷幸太郎、古山一夫、橋本昇三、明石真言
福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター:石川徹夫
掲載「European Physics Journal 」(2017)
関連リンクhttps://www.epj-conferences.org/articles/epjconf/pdf/2017/22/epjconf_icrs2017_08008.pdf

福島第一原発事故後初期の内部被ばくについては、甲状腺を直接計測したデータなどの実測データが残念ながら不足しています。これを解決するための一つの方法として、計算機シミュレーションと事故後の個人の行動記録とを用いて初期内部被ばくを評価するためのツールを開発しました。このツールでは、原発事故で放出された放射性物質が大気中をどのように動いていったかを再現する大気拡散シミュレーションモデルと、県民健康調査・基本調査で得られた行動記録から、個人ごとに吸入による内部被ばく線量を評価することができます。2011年3月下旬に実施された小児甲状腺スクリーニング検査を受けた方など事故後早い時期に内部被ばく検査を受けた方を対象として、開発したツールによって初期内部被ばく線量の推計を行いました。小児甲状腺スクリーニング検査を受けた方のうち309名の方について、スクリーニング検査に基づく甲状腺内部被ばく線量と、シミュレーション(開発したツール)によって推計した内部被ばく線量との比較が可能でした。

現状では、シミュレーションによって推計された甲状腺内部被ばく線量は、実測から評価した線量を再現しているとは言えず、今後さらなる研究が必要であることが示唆されました。