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『こころの健康度・生活習慣に関する調査』における非回答者の特徴:福島県県民健康調査 The characteristics of non-respondents and respondents of a mental health survey among evacuees in a disaster: The Fukushima Health Management Survey.

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
堀越直子1,2
【共同著者】
岩佐一1,2、安村誠司1,2、前田正治1,3
1 福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、2 福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座、3 福島県立医科大学医学部災害こころの医学講座
掲載「Fukushima Journal of Medical Science」(2017)
関連リンクhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/fms/63/3/63_2017-03/_pdf/-char/en

福島県立医科大学では、福島第一原子力発電所事故後、県民健康調査の一環として『こころの健康度・生活習慣に関する調査』を実施しています。しかしながら、郵送法による質問紙を用いた調査のため、非回答者の精神的健康状態を把握できず適切なケアにつながりにくいという課題があります。そのため、本調査は非回答者の特徴を明らかにし、本調査の有効性やありかたを検討することを目的としました。

対象者は福島県内の避難区域に暮らす住民967人(20歳以上)で、そのうち313人を分析対象としました。単変量解析の結果では、非回答者は回答者に比べ、就業者(p = 0.022)、社会的孤立(p = 0.047)、心理的ストレス反応が高い者(p = 0.033)の割合が多いとの結果になりました。また、多変量回帰分析の結果でも、非回答者は回答者に比べ、就業者(OR = 1.99, 95%信頼区間[CI]:1.12-3.51)および心理的ストレス反応(OR = 2.17, 95%CI:1.01-4.66)が有意に高いことが明らかになりました。

本調査のような郵送法による質問紙調査では、非回答者の精神健康状態を把握することに限界があるため、質問紙をより負担にないものに変えるなど、非回答者のメンタルヘルス対策に今後も努める必要があります。