東京電力福島第一原子力発電所事故後の個人と社会的意思決定に向けたリスク比較の重要性 Importance of risk comparison for individual and societal decision-making after the Fukushima disaster

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
村上道夫
掲載「Journal of Radiation Research」(2018)
関連リンクhttps://academic.oup.com/jrr/article/59/suppl_2/ii23/4829568

リスク比較は、社会と個人の効果的な意思決定において、必要不可欠です。東京電力福島第一原子力発電所事故後において、対応と対策の優先順位をつけるために、放射線とそれ以外の災害関連リスクを比較する研究が行われました。また、リスク比較に関する情報の価値を評価することは、効果的なリスクコミュニケーションを可能とします。この総説では、低線量下での放射線のリスク評価の概念を明確にするとともに、社会と個人の意思決定に向けた原発事故後のリスク比較の価値を議論します。放射線リスク評価の目的は、閾値なし直線仮説の適用に関する歴史的な経緯を含め、レギュラトリーサイエンスの枠組みの中で説明されます。放射線リスクと老人施設における避難に関するリスクの比較の事例を用いて、事故前の対策の優先順位について議論しています。関係当局によるリスク比較情報の有効のコミュニケーションについては、集団ベースと1対1のアプローチに関して議論しています。さらに、放射線リスクの比較に関する将来展望について論じられています。