震災後の肝胆道系酵素異常への生活習慣因子の影響:福島県県民健康調査 Effects of lifestyle on hepatobiliary enzyme abnormalities following the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident: The Fukushima health management survey

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
高橋敦史1,2
【共同著者】
大平哲也1,3、岡崎可奈子1,3、安村誠司1,4、坂井晃1,5、前田正治1,6
矢部博興1,7、細矢光亮1,8、大津留晶1,9、川崎幸彦1,8、鈴木均1,10
島袋充生1,11、杉浦嘉泰1,12、宍戸裕章1,13、林義満1,14、中野裕紀1,3
小橋元1,15、神谷研二1、大平弘正1,2
1 福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、2 福島県立医科大学医学部消化器内科学講座、3 福島県立医科大学医学部疫学講座、4 福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座、5 福島県立医科大学医学部放射線生命科学講座、6 福島県立医科大学医学部災害こころの医学講座、7 福島県立医科大学医学部神経精神医学講座、8 福島県立医科大学医学部小児科学講座、9 福島県立医科大学医学部放射線健康管理学講座、10 福島県立医科大学医学部循環器内科学講座、11 福島県立医科大学医学部糖尿病内分泌代謝内科学講座、12 福島県立医科大学医学部神経内科学講座、13 福島県立医科大学医学部整形外科学講座、14 福島県立医科大学医学部腎臓高血圧内科学講座、15 獨協大学医学部公衆衛生学講座
掲載「Medicine」(2018)

2011年の東日本大震災以降、避難区域を含む13市町村の地域住民を対象に県民健康調査の「健康診査」と「こころの健康度・生活習慣に関する調査」が実施されています。これまで我々は健康診査の結果から、震災後に肝障害(肝胆道系酵素異常)の割合が増加し、震災後の避難が肝障害のリスクとなることを報告しました。本論文では、健康診査の結果に、こころの健康度・生活習慣に関する調査の結果を連結して、肝障害の要因を明らかにすることを目的としました。
肝障害は対象(22,246人)の27.3%で認められました。実際の避難生活の有無別では、避難生活者でその頻度が高く(避難29.5%、非避難25.7%、P <0.001)、男性、中等量以上の飲酒、活動量低下は避難の有無に関わらず、肝障害のリスク要因となっていました。さらに、非避難者では転職が、避難者では非雇用がそれぞれ肝障害のリスク要因でした。本論文で、震災後の肝障害に様々な要因が影響していることが示されました。