福島県における新生児の出生体重に及ぼす東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響:福島県「県民健康調査」 Influence of the Great East Japan Earthquake and the Fukushima Daiichi nuclear disaster on the birth weight of newborns in Fukushima Prefecture: Fukushima Health Management Survey.

著者【筆頭著者、連絡・責任著者】
安田俊1,2
【共同著者】
経塚標1、野村泰久1,2、藤森敬也1,2、後藤あや2,3、安村誠司2,3、幡研一2,5
大平哲也2,4、阿部正文2
1 福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座、2 福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター、3 福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座、4 福島県立医科大学医学部疫学講座、5 福島県産婦人科医会
掲載「The Journal of Maternal-Fetal & Neonatal Medicine」(2017)

【背景】
2011年3月11日に東日本大震災が発生し、東京電力福島第一原子力発電所事故が起きました。私たちは、事故当時に妊娠していた女性が出産した新生児について、福島県におけるSGA(胎児が在胎週数に比べて小さい児)の発生率を調査するとともに、SGAの危険因子を解析しました。

【方法】
事故当時に妊娠していた女性を対象者としました。事故当時に(海辺で本原子力発電所に近い)浜通り地域に居住していた対象女性と、浜通り地域外に居住していた女性対照群に調査票を送付しました。SGAの発生率の比較を行いました。SGAの危険因子を特定するために、ロジスティック回帰分析を実施しました。

【結果】
全体として、325名(5.6%)の女性がSGAの胎児を出生しました。事故当時にいた地域も、その時の妊娠期間も、SGAの発生率には影響を及ぼしませんでした。妊娠高血圧症候群(PIH)が、SGA群で高かったのが特徴です。PIHは、SGAの独立危険因子であることが分かりました。

【結論】
東日本大震災と原子力発電所事故が、福島県におけるSGAの発生率を上昇させたという証拠は見つかりませんでした。