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第15回検討委員会「甲状腺検査」結果報告要旨

第15回検討委員会(平成26年5月19日開催)で報告いたしました内容の要旨と、報告に対する各検討委員からのコメントを掲載いたします。

今回の検討委員会で報告された項目は以下のとおりです。

県民健康調査「甲状腺検査」実施状況について

一次検査進捗

  • 平成25年度末までに1回目の甲状腺検査(先行検査)が終了しました。
  • 対象者は全体で36万8,651人。受診者数は29万5,511人でした。
  • 先行検査開始(平成23年10月)からの全体の受診率は80.2%となりました。
進捗状況 平成26年3月31日現在(2月21日検査分まで結果確定)

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二次検査進捗

  • 一次検査でBもしくはC判定となった方、計2,070人が二次検査の対象の方です。
  • 平成26年3月31日現在、1,754人が受診し、1,598人の方の結果が確定しています。
  • その1,598人のうち、ほぼ3人に1人となる535人(33.5%の方が、二次検査によるより詳細な検査の結果、A1もしくはA2判定相当となり、次回検査(本格検査)となりました。
  • 一方で、1,063人(66.5%)の方は通常診療等となり、概ね6か月後または1年後に、通常診療(保険診療)を受診する方等となっています。
  • なお、通常診療等となった1,063人の方のうち、437人の方が穿刺吸引細胞診を受けました。
平成26年度 平成26年3月31日現在

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穿刺吸引細胞診の結果

  • 穿刺吸引細胞診を行った437人の方のうち、90人の方が「悪性」ないし「悪性疑い」の判定となりました。
  • この90人の方のうち、これまでに51人の方に手術が行われ、手術後の病理検査の結果、1人が良性結節、50人の方が甲状腺がんと確定診断されています。
  • 穿刺吸引細胞診の結果、「悪性」ないし「悪性疑い」とならなかった方は、概ね6か月後または1年後に、通常診療(保険診療)を受診する方等となっています。

本検査で見つかった甲状腺がんが、東京電力福島第一原発事故の放射線によるものかどうかについて

  • 検討委員会に対し、医大は「現在見つかっている甲状腺がんは、原発事故の放射線の影響によるものとは考えにくい。しかし、確実なことは言えない以上、今後も繰り返し長期にわたり、精度の高い検査を継続して行っていく」と報告しました。
  • これは、学外の委員で構成される甲状腺検査専門委員会診断基準等検討部会を経て示された見解です。また、平成26年2月に行われた環境省主催の放射線と甲状腺がんに関する国際ワークショップでの、世界の専門家による検討でも同じ見解が示されています。

穿刺吸引細胞診等結果概要

細胞診結果(平成26年3月31日現在)
平成23年度実施対象市町村
悪性ないし悪性疑い 15人(手術13人:良性結節1人、乳頭癌11人、低分化癌疑い1人)
男性:女性 5人:10人
平均年齢 17.3±2.0歳 (13-20歳)、震災当時15.7±1.9歳(11-18歳)
平均腫瘍径 14.1±6.6㎜(6.0-33.0 ㎜)
平成24年度実施対象市町村
悪性ないし悪性疑い 54人(手術 36人:乳頭癌 36人)
男性:女性 21人:33人
平均年齢 17.2±2.7歳 (8-21歳)、震災当時14.9±2.6歳(6-18歳)
平均腫瘍径 14.5±7.9㎜(5.2-40.5 ㎜)
平成25年度実施対象市町村
悪性ないし悪性疑い 21人(手術2人:乳頭癌2人)
男性:女性 6人:15人
平均年齢 16.0±3.1歳 (11-20歳)、震災当時13.5±3.0歳(8-18歳)
平均腫瘍径 13.4±6.8㎜(5.1-30.3 ㎜)
平成23-25年度合計
悪性ないし悪性疑い 90人(手術51人:良性結節1人、乳頭癌49人、低分化癌疑い1人)
男性:女性 32人:58人
平均年齢 16.9±2.7歳 (8-21歳)、震災当時14.7±2.7歳(6-18歳)
平均腫瘍径 14.2±7.4㎜(5.1-40.5 ㎜)

穿刺吸引細胞診で「悪性」ないし「悪性疑い」となった方の基本調査による外部被ばく線量推計値について

  • 90人の「悪性」ないし「 悪性疑い」となった方のうち、45人の方から基本調査問診票を提出いただいており、推計結果が出ている34人について、その外部被ばく線量推計値は1mSv未満で21名、最大の人で2.2mSvでした。
基本調査提出者の実効線量推計内訳

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穿刺吸引細胞診の結果、悪性ないし悪性疑いとなった方の割合について

  • この甲状腺検査は、原発事故時に空間線量の高かった市町村から順に行ってきました。
  • 平成23年度は、当時避難区域等に指定された13市町村、平成24年度はいわき市の一部と福島市、郡山市など中通りを中心に、平成25年度は県南地方、会津地方を中心に検査を行いました。
  • 平成25年度についてはまだ最終集計が出ていないため、確実なことは言えませんが、穿刺吸引細胞診による悪性ないし悪性疑いとなった方の割合は、平成23年度:0.03%、平成24年度:0.04%、平成25年度:0.02%(途中集計値)となっており、地域による大きな差は認められないようです。

第2回「甲状腺検査評価部会」開催報告

※この部会は、検討委員会では議論し尽くされない甲状腺検査に関する質疑を行うために、検討委員会の下に設けられた会議です。開催後、検討委員会において、その議論の内容を報告することになっています。

今回は以下3点について報告がありました。

甲状腺検査進捗状況

  • 第14回検討委員会時点での進捗状況(平成25年12月31日時点)を福島県県民健康調査課から報告しました。

初期内部被ばく推計(放射線医学総合研究所より)

  • 事故当時の放射性ヨウ素による甲状腺被ばく線量推計の取組について報告がありました。
  • 事故当時1,080人の子どもたち(川俣町、飯舘村、いわき市)に行った検査結果からの推計では、ほぼ30mSv未満でした。
  • ホールボディカウンター測定結果から推計した数値では、最も高い地域の1歳児で31mSvでした。
  • 一方でチェルノブイリ原発事故での甲状腺被ばく線量推計結果は200~1,000mSv、あるいはそれ以上と推計され、福島とは大きく状況が違うことが説明されました。

甲状腺がんの罹患率

  • スクリーニング効果(それまで検査をしていなかった方々に対して一気に幅広く検査を行うと、無症状で無自覚な病気や有所見〈正常とは異なる検査結果〉が高い頻度で見つかる事)が指摘されました。
  • 100万人に1人から2人といわれる率の導きだし方は、自覚症状があり精密検査をして甲状腺がんが見つかった方の数を、その年齢層の人口で割っているもので、福島のように自覚症状のない人まで全て検査した結果見つかる率とは、分母も分子も違い、比較できるものではない、ということが説明されました。
  • さらに、韓国やアメリカでの甲状腺がん発見数が爆発的に増えていることも紹介されました。
  • 罹患率が上がる一方で死亡率は変わらないことから過剰診断への懸念が示されました。
  • これに対し、医大からは、日本では早くから過剰診断への対応が進められていること、現在は診断基準が定められており、その基準に従って検査が行われていることが説明されました。

甲状腺結節性疾患 追跡調査事業結果(速報)について

環境省が行った、青森県、山梨県、長崎県の3県での甲状腺検査の結果、B判定となった方の二次検査について、結果がまとまったことから「速報」として、環境省から説明がありました。

  • B判定となった44人の方のうち、調査に同意をいただいた31人の方々について検査の結果が公開されました。
  • その結果、31人のうち、1人に甲状腺がんが見つかったことが報告されました。

検討委員の皆様からのコメント

会津地域での二次検査結果を早く出してほしい。地域による差を見ることが出来るはずだ。

二次検査に進む方や手術を受ける方々の心のケアを充実させてほしい。

→甲状腺検査を実施するチームの中に、心のケアを行う専任のメンバーを置いています。二次検査の段階から、ご心配やご不安に対応する体制を整えています。また、診察時以外にご相談等、お受けできるよう、webサイトにも二次検査対象者様向けの相談サイトを立ち上げています。

今後は、各地域でも相談できる窓口を設けるなどの施策も検討して欲しい。

→今後、各自治体や、こころのケアセンター、医師会などとも連携した体制作りの協議を検討したいと考えています。

被ばく線量評価との因果関係を調べるための方針を明確にしなくてはならない。

チェルノブイリ原発事故の際は甲状腺がんが事故後4-5年で増えたという事例から、今見つかる甲状腺がんは、放射線の影響ではない、とするのは早計ではないか。チェルノブイリのデータは参考にはしても、予断となるような使い方は避けた方が良いのではないか。

→放射線の影響とは考えにくい、という見解は示しているが、その背景は決して、チェルノブイリでの事故後4-5年後に甲状腺がんが増加したことだけを根拠にしているわけではありません。一人一人の被ばく線量が個別にはっきりわかっていない現状では、繰り返し精度の高い検査を行うことが一番重要と考えて取組んでいます。

→(座長)先行検査の大体すべての二次検査が終わった段階、8月くらいには、単にそれをベースラインとして、今後の推移をみるという評価の仕方ではなく、地域差やある程度分かっている範囲での被ばく線量との関係の有無などをしっかり議論していきたい。