調査の結果からわかったこと
- 本調査は約半数の方から回答をいただき、調査への関心の高さが示されました。
- 福島県内での妊娠・出産の安全性を示すことができました。
- 本調査のうつ傾向の割合は年々減少しています。
対象者数と回答率(本調査及びフォローアップ調査)
本調査は10年間を通じて5割前後の回答率を維持し、調査への関心の高さが示されました。対象者数は平成24年度は一時的に落ち込み、平成25年度には回復しましたが、その後は全国の出生数の傾向と同様に減少傾向でした。
フォローアップ調査は本調査の回答率よりは低いものの、1回目及び2回目のフォローアップ調査ともに回答率は増加傾向です。
妊娠結果について(本調査)
早産率、低出生体重児率、先天奇形・先天異常発生率は、全国調査や一般的に報告されているデータと変わりありませんでした。
母親のメンタルヘルスについて(本調査及びフォローアップ調査)
本調査での、うつ傾向ありと判定された母親の割合は減少傾向にあります。令和2年度本調査の割合をエジンバラ産後うつ指標による産後うつの推定割合に算出すると「10.0%」であり、平成29年度の全国の産後うつ病疑いの割合は「9.8%」であったことから全国の値と同程度となっています。
次回の妊娠・出産の希望について(本調査)
震災後から現在まで回答してくださった方の半数以上が、次回の妊娠・出産を希望しています。
放射線の影響について不安なこと(フォローアップ調査)
1回目及び2回目フォローアップ調査の結果、「偏見」「遺伝的な影響」は横ばい傾向ですが、「子どもの健康」「食品」「水」「子どもの外遊び」に不安を感じる母親は少なくなっています。
自由記載の内容について(本調査及びフォローアップ調査)
本調査での「胎児・子どもへの放射線の影響」に関する記載は経年的に減少し、「育児相談」や「育児支援サービス充実の要望」が多くなっています。
支援の結果からわかったこと
- 調査票の回答内容から支援が必要と判断された方に、専任のスタッフから電話とメールにより相談・支援を行っています。
- 相談内容は放射線に関することが少なくなり、母親のこころや身体の健康に関することが多くなっています。
- 緊急時や専門的な支援が必要と判断された方には市町村や専門医、関係機関へ紹介し、継続的な支援へと繋げています。
支援実績について(本調査及びフォローアップ調査)
本調査における「うつ傾向による要支援率」は震災後の約半分まで減少しており、1回目フォローアップ調査も同様に減少傾向を示しました。平成24年度以降、自由記載内容による支援対象を広げ、手厚くサポートしてきました。
相談内容について(本調査及びフォローアップ調査)
震災後に最も多かった「放射線の影響や心配に関すること」の割合は時間の経過とともに低下しています。平成24年度以降、「母親の心身の状態に関すること」や「子育て関連(生活)のこと」の割合が増え、相談内容の上位を占めるようになりました。
フォローアップ調査では、一貫して「母親の心身の状態に関すること」が第1位を占めており、「放射線の影響や心配に関すること」の割合は経年的に減少しています。
他機関への紹介について(本調査及びフォローアップ調査)
調査票の回答内容や電話支援等の結果、緊急で市町村につなぐ必要がある場合は本人に同意を取り、市町村に継続支援を依頼しています。また、専門的な支援が必要と判断された方には専門医や関係機関の紹介を行い、継続支援へと繋げています。
調査結果の公表と地域へのフィードバック
- 調査の概要やこれまでの調査結果からわかったことなどをまとめたリーフレットを作成し、調査対象者に発送するとともに、市町村や産婦人科医療機関等に配布しました。(H26~)
- 県内で安心して出産、子育てをしていただくため、これまでの調査でわかったことや放射線に関する情報をまとめたリーフレットを作成し、市町村や産婦人科医療機関を通し妊娠された方などに配布しています。(R4~)
- 県内5方部での結果報告会や、避難区域等に指定された市町村を対象とした13市町村連絡会において調査結果を報告しました。
- 県主催の市町村を対象とした母子保健担当者の会議等にて、保健師等へ調査結果を報告しました。
検討委員会資料
「県民健康調査」検討委員会で報告された、これまでの「妊産婦に関する調査」の結果に関する資料をご覧いただけます。
第51回福島県「県民健康調査」検討委員会(令和6年5月10日開催)
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当日配布資料
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当日配布資料
- ※「妊産婦に関する調査」について報告があった直近の検討委員会での配布資料です。これより前の資料は、過去の検討委員会資料よりご覧ください。
お問い合わせ
福島県立医科大学 放射線医学県民健康管理センター
〒960-1295 福島県福島市光が丘1番地
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