よくあるご質問

検査全般

現在、須賀川市(令和3年度検査実施年度)の中学3年生ですが、令和3年度、郡山市(令和2年度検査実施年度)の高校に進学予定です。令和3年度に郡山市の高校で検査を受けることは可能ですか。

郡山市は令和2年度検査実施ですので、令和3年度は高校での検査は行いません。令和3年度に検査実施機関で受診していただくことになります。事前に検査のお知らせをお送りしますので、ご希望の検査実施機関を選択していただき、検査同意確認書兼問診票等をご返送ください。本学と検査実施機関で日程調整後に対象者の方に受診票をお送りします。

現在住んでいる郡山市は令和2年度が検査実施年度ですが、通学している在籍校の須賀川市は令和3年度が検査実施年度です。令和2年度、検査を受けることは可能ですか。

申し出(対象者が未成年の場合は保護者)をしていただければ、日程等を調整のうえ、令和2年度(前半年度)検査実施機関での受診は可能です。なお、申し出がない場合は、令和3年度(後半年度)、在籍している須賀川市の学校での受診となります。

「25歳以降は5年ごと」について、30歳、35歳等、5年ごとの節目に検査を実施するとなっているが、具体的にどのように行うのですか。

検査対象の方が20歳を過ぎ、25歳、30歳等の年齢になる年度に検査のお知らせをお送りします。なお、次の節目の年齢(25歳なら30歳、30歳なら35歳)の前年度までに受診することができます。具体的な期間(間隔)は「本格検査(検査5回目以降)の検査スケジュール」をご覧ください。

甲状腺検査については「20歳を超えるまでは2年ごと、25歳以降は5年ごと」とされています。放射性ヨウ素による内部被ばくの実態が明らかでないことから、「甲状腺検査についてはできるだけ早急に、かつ最低でも1年に1度は実施すべき」ではないでしょうか。

甲状腺検査の頻度については、甲状腺がんの特徴に詳しい甲状腺学会その他専門医からなる外部の甲状腺専門委員会の検証を受けて決定しています。

甲状腺がんの発がんリスクは、放射線外部被ばくによる場合は100ミリシーベルト以上で、内部被ばくの場合は臓器等価線量(※)100ミリシーベルト以上で、増加が観察されています。また、潜伏期(被ばくした時点から甲状腺がんが発症するまでの期間)は、外部被ばくの場合は10~15年以上、内部被ばくの場合は4~5年以上といわれています。

臨床医学的にも疫学的にも、発がんまでの潜伏期を考えれば、本来5年に1度でも十分な検査間隔ですが、県民の皆様の不安を考慮し、本格検査以降は、対象者が20歳を超えるまでは2年ごと、25歳以降は5年ごとに検査を実施することとしています。なお、検査間隔については生物学的悪性度の観点以外に、受診機会の確保など社会的な問題もあり、今後検討委員会でさらに議論、検討がなされる見込みです。

 臓器そのものが受ける実質的な被ばく線量

甲状腺検査はいつまでに受診すればいいのでしょうか。受診の期限はありますか。

甲状腺検査の実施スケジュールは「甲状腺検査とは - 検査実施予定」をご参照ください。
ただし、甲状腺検査のご案内が届いた時に様々な理由で受診いただけなかった場合は、ページ下部のコールセンターにご連絡いただければ、今後の検査実施スケジュールをご案内しております。

甲状腺検査は必ず受けなければならないのですか。

福島県の場合、チェルノブイリ原発事故に比べ、住民の被ばく線量は極めて低く、国際的な機関も、放射線の影響で甲状腺がんが発生するリスクは極めて低いとの見解を示しています。しかし、一人ひとりの被ばく線量が十分に把握されたとは言えませんので、長きにわたって甲状腺の状態を見守るために、希望される方に甲状腺検査を行っております。

一方、小さな甲状腺がんは、治療をしなくても多くは生命に影響しないと考えられています。そのため、超音波で甲状腺を検査すると、症状がなく、かつ、将来にわたって体にダメージを与えないかもしれない甲状腺がんが多数発見される可能性が指摘されています。加えて、個別には、どれが進行する甲状腺がんかを十分に識別することは困難です。

こうした甲状腺がんと超音波による甲状腺検査の特性をご理解いただいたうえで、受診を希望されるかどうかをご検討ください。甲状腺検査は希望される方に実施しています。受診を希望されるかどうかをご判断いただくため、「検査のメリット・デメリット」を動画でもご視聴いただけます。

甲状腺検査の目的はなんですか。

チェルノブイリ原発事故後に明らかになった健康被害として、放射性ヨウ素の内部被ばくによる小児甲状腺がんがありました。そこで、平成23年10月に原発事故時0歳から概ね18歳までの福島県民の皆様を対象に甲状腺検査が始まりました。

福島県においては、チェルノブイリに比べて放射性ヨウ素の被ばく線量が低いと推定されており、放射線の影響は考えにくいとされていますが(下記URL参照)、子どもたちの甲状腺の状態を把握し、健康を長期に見守ることを目的に検査をしています。この検査は、一人一人の甲状腺の状態を長期にわたり観察し、健康な生活を送るための支援につなげ、将来的な健康影響についての調査に役立てるものです。

これまでの検査で何が分かったのですか。

先行検査で見つかった甲状腺がんは、「総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくい」とされています。

チェルノブイリ原発事故では、事故当時5歳以下の子どもの甲状腺がんの発症が他の年齢より多く見つかっています。一方、福島では、見つかっている年齢の傾向が異なります。福島県県民健康調査検討委員会の「中間取りまとめ」(平成28年3月発表)では、甲状腺検査の先行検査で見つかった甲状腺がんは、「総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくい」とされています。

この評価は、主に以下の理由によるものです。

  • 被ばく線量がチェルノブイリ事故と比べて総じて小さいこと
  • 被ばくから発見までの期間がおおむね1年から4年と短いこと
  • 事故当時5歳以下からの発見はないこと
  • 地域別の発見率に大きな差がないこと

福島の場合、線量が低く調査などで放射線の影響を検出できるレベルではないと専門機関により予測されていますが、万一の事象が起こらないかどうかを確かめることを補完する観点からも、予断なく検査を実施してまいります。

症状のない方に対する甲状腺検査は、治療が必要な甲状腺がんの早期発見などが見込める一方で、その検査がなければ生涯にわたって気づくことなく、症状が現れずに過ごしたかもしれない甲状腺がんを見つける可能性なども指摘されています。検査について受診者に丁寧に説明する機会を作るよう努めるとともに、検査を受診しようとお考えになった方が、受診しやすい環境の整備、こころのケアや結果説明の充実などに引き続き取り組んでまいります。

検査のお知らせ

4回目までの検査と、検査の時期は同じですか。

はい。これまでどおり2年ごとに行う検査と、25歳・30歳等5年ごとの節目に行う検査に変わりはありませんが、18歳以上の方は、検査のお知らせの発送時期が変更になります。詳しくはこちらをご覧ください。

このことで、これまで検査のご案内を2年間のうち前半年度に差し上げていた方が後半年度に差し上げる場合(例:平成13年度生まれの福島市在住の方など)やその逆の場合(例:平成12年度生まれの会津若松市に在住の方など)があります。

学校での検査対象となる方については、検査の実施年度(学校の所在する市町村ごとに前半年度か後半年度か)に変更はありません。

18才以上の方は、どうして年齢(学年)ごとに案内するのですか。

転居等により住所が変わる方が多くいらっしゃることで、前半年度か後半年度かが分かりづらくなっていたことから、現住所に左右されないよう、18歳以上の方は福島県内・県外在住にかかわらず年齢(学年)ごとにご案内するものです。

25歳時の節目の検査は25歳の年度以外で受診できますか。

はい。検査のご案内を差し上げた方が25歳時に検査を受診なさらなかった場合、その次の節目年齢となる30歳時の前年度まで、受診いただくことが可能です(次の節目の検査の前年度まで可能です)。

私は2年間の検査のうち、後半の令和3年度に検査の案内が来るようです。令和2年度に受診することはできますか。

はい。お申し出により、令和2年度に受診をいただくことも可能です。その場合は恐れ入りますが、ページ下部のコールセンターまでご連絡をお願いします。

私は令和2年度に高校3年生ですが、私の高校の学校での検査は令和3年度です。令和3年度は高校を卒業しますが、案内はいつ届き、どこで受診すればいいのですか。

高校等を卒業され、学校での検査ができない方については、卒業後の令和3年度に検査のご案内を差し上げます。その場合の受診場所は、検査実施機関か公共施設等の一般会場となります。

私と弟の年齢は一つ違いで、福島県内の学校に在籍しています。年齢(学年)毎に、別の年度に検査の案内が来るのですか。

18歳未満(高校世代以下)の福島県内の同じ市町村に所在する学校に在籍されているご兄弟(ご姉妹)の方は、同じ年度に検査のご案内を差し上げます。

2年間の検査のうち、私は令和3年度に、妹は令和2年度に検査の案内が来るようです。同じ年度に受診できますか。

はい。お申し出により、令和2年度・3年度のどちらの年度でも、ご一緒に受診していただくことは可能です。恐れ入りますが、ページ下部のコールセンターまでご連絡をお願いします。ただし、検査実施機関または一般会場での受診となります。

公共施設等での一般会場検査は、いつ受診できますか。

令和2年度、3年度どちらでも受診できます。市町村毎に前半年度か後半年度のどちらかで実施していましたが、今回から、前半年度と後半年度のいずれの年度も検査を実施する予定です(毎年の実施ということになります)。詳しい実施時期や場所については「甲状腺検査とは - 検査実施予定」をご覧ください。

一般会場検査は、学校や検査実施機関で受診できない方などのために、医大から公共施設等に出向いて行う検査です。

一次検査

先行検査や本格検査の結果、一般診療を受けていますが、次の検査は受けた方がいいのでしょうか。

検査の後、一般診療(=保険診療)に移行し、主治医がお決まりの方は、次回の検査受診については、主治医にご相談下さい。

妊婦です。超音波検査でお腹の子に何か悪い影響はありますか。

甲状腺検査で行う超音波検査は、妊娠中に産婦人科で胎児の状態を診る方法として広く普及している、いわゆる「エコー(超音波)」検査と原理は同じです。妊婦の方でも安心して甲状腺検査の超音波検査をお受けいただくことができます。

どうして超音波検査だけなのでしょうか。血液検査はしなくて大丈夫ですか。

甲状腺がんがあるかどうかは、血液検査だけでは分かりません。そのため、いわゆる小さな病変(しこり等)を見つけるためには、精度が高く痛みも伴わない超音波検査を一次検査として最初に実施しています。

県民健康調査の甲状腺検査では、一次検査の段階では超音波検査のみとし、一次検査で一定の所見が認められた方には、二次検査(精密検査)を実施しています。その中では血液検査を実施しています。つまり、精密な検査(二次検査)が必要な方に限定して血液検査を実施するようにしています。

甲状腺検査を受けたいのですが、体力や心の問題で人がたくさんいる公共施設等での受診が難しいのですが、どうすればよいですか。

甲状腺検査のご案内がお手元に届きましたら、まずはページ下部のコールセンターにご連絡ください。状況をご確認させていただき、会場で必要な体制を整えます。また、公共施設等の一般会場で受診いただく場合(学校以外の場所での受診のご案内が届いた場合)は、日程調整も含めてご相談させていただきながら受診いただける体制を整えて参ります。

甲状腺検査が病院でも受診出来るようになりましたが、近くで受けられる病院がなくて不便です。今後増える予定はないのですか。

関係各位のご協力をいただきながら、県民健康調査の甲状腺検査を実施することが可能な検査機関(主に病院などの医療機関)を増やすように努めております。令和2年4月1日現在で、県内医療機関が84機関、県外医療機関が124機関(うち二次検査のみ1機関、検査休止中13機関)となっております。検査機関一覧の最新情報は下記のリンクよりご確認ください。

子供たちが社会人になると、仕事などを休めなくて検査を受けづらくなると思います。検査を受けやすくしてほしいです。

大学生や社会人の方などは、希望する検査実施機関で甲状腺検査を受診していただくことが可能です。本学と検査実施機関で日程調整を行い、日程確認のご連絡を差し上げますが、用事や体調不良などの理由で、受診できない場合には、ページ下部のコールセンターまでご連絡ください。
また、福島県外にお住まいの場合は、福島県外でも甲状腺検査が受診できます。詳細は以下をご覧ください。

なお、福島県外にお住まいの方でも福島県内において受診することが可能です。

学校で受診するようにお知らせが届きましたが、親の付き添いはできますか。

学校で行う検査では、担任の先生や養護教諭などの引率により、クラス単位などで受診することが多いことから、原則として保護者の方の立会いはご遠慮いただいております。

同意確認書兼問診票の提出期限を過ぎて提出した場合でも、検査は受けられますか。

受診できます。ただし、次の本格検査までに受診してください。放射線医学県民健康管理センターにご連絡いただければ、検査日や検査会場をご案内いたします。
なお、「甲状腺検査とは - 検査実施予定」でもご確認いただけます。

検査に希望しない場合も、同意確認書兼問診票を提出しなければならないのですか。

検査の受診を希望なさらない場合でも、お手数ですが検査同意確認書の「同意しません」に(チェック)を入れ、記載の住所、氏名を確認のうえ、対象者氏名欄に自署(対象者が未成年の場合は保護者氏名欄に保護者の自署)され、連絡先をご記入のうえご返送ください。

同意確認書を出しましたが、何か送られてくるのですか。

「検査に同意します」と回答された方

福島県内、県外を問わず、検査実施機関で受診なさる方には、後日、受診票をお送りしますので、受診当日に、その受診票をご持参のうえ、検査実施機関にお越しください。検査実施機関以外の指定会場で受診なさる場合(通学しておられる学校、あるいは、「ビッグパレットふくしま」のような公共施設等の一般会場)は、検査前にお送りする書類はございません。ご指定の受診日時に会場にお越しください。

「検査に同意しません」と回答された方

福島県立医科大学から検査に係る書類をお送りすることはございません。なお、今後の甲状腺検査のお知らせは不要ですと回答された方は、今後もお送りする書類はございませんが、送付を再開される場合は、ページ下部のコールセンターまでご連絡ください。

二次検査

二次検査は、検査実施機関に何回行かなければならないのですか。

基本的な二次検査の流れは、初回で問診・詳細な超音波検査・血液検査・尿検査を行い、2回目で結果説明となります。初回の検査の結果、穿刺吸引細胞診が必要な方は、2回目に細胞診を行い、3回目に結果説明となります。一般的には、2回から3回、検査実施機関においでいただくことになります(検査の結果内容により回数が増える場合があります)。

二次検査はどのような検査を実施するのでしょうか。

一次検査の結果、二次検査(精密検査)が必要と判断された方は、医師による問診、より詳細な超音波検査、血液検査、尿検査を行います。その結果必要と判断された場合、穿刺吸引細胞診を行うこともあります。

二次検査実施機関について

二次検査は福島医大のほか、協定を締結している県内外の検査実施機関で受診することが可能です。

今後も医療機関へ協力を仰ぎ、二次検査実施機関を整備していきます。
また、二次検査初診予約は、県民健康管理センターで調整をいたしますので、検査実施機関への直接のご連絡はご遠慮ください。

検査費用について

二次検査は無料です。ただし、検査会場までの交通費等については自己負担となりますのでご了承ください。
また、二次検査の結果、治療や経過観察が必要になった場合は通常の保険診療に移行します。保険診療による医療費のご負担は現在住民票をお持ちの自治体の制度によって異なります。
なお、二次検査後に生じた経済的負担を支援する福島県の制度(県民健康調査甲状腺検査サポート事業)が実施されています。詳しい制度については、こちらからご確認ください。

検査結果

1回目の検査でのう胞がありましたが2回目ではのう胞が消えました。このようなことはあるのですか。

のう胞は、成長の過程で現れたり消えたりするもので、その大きさも頻繁に変わります。

1回目の検査でA1だった判定が2回目の検査でいきなりBになることもあるのですか。

甲状腺がんは、「判定結果のA1からA2になり、さらにBになる」といったように、順を追って発症に至るわけではありません。のう胞も結節も認められなかった(A1判定)方が、次回の検査でB判定となる場合もございます。このため、次回検査を行う場合は、前回の検査でA(A1またはA2)判定だった方も、B判定だった方も、予見なく、同じ検査を実施しています。腫瘍の増殖速度は超音波の画像として見えてきてからは比較できますが、見えていない時期は何とも言えません。従ってA1から2年後突然5㎜以上の結節として発見される場合もあります。詳しくは、こちらをご覧ください。

診断に用いた画像や詳しい検査結果、医師による所見は、本人に通知されるのでしょうか。

一次検査で得られた超音波画像は、その場では判定せず、必要に応じて複数の専門医により構成される判定委員会で判定を確定します。これは、見落としや勘違いを少しでも減らすためです。また、この検査は長きにわたり様々な医療機関でも検査を続けていくことから、個人の意見ではなく、県民健康調査として一定の基準で判断することを心がけているためです。

確定した検査結果については、後日、郵送でお送りしております。なお、検査結果が郵送されるまでの間の不安の軽減や検査の意義をよりよく理解していただくために、公共施設等の一般会場にて、希望者に対し医師による暫定的な結果内容を説明する機会(説明ブース)を設けています。(県内・県外の検査実施機関では、説明ができない場合もあります。学校検査では説明をしておりません。あらかじめご了承ください。)

また、受診結果の詳細(以下の内容)については、より簡素化された自己情報取得の手続きによって、検査結果の詳細情報を得ることができます。

  1. 一次検査実施時の超音波診断装置による画像(静止画、動画)。
  2. 嚢胞や結節の有無、大きさ等を記載した検査レポート。
  3. 二次検査対象者は二次検査時の超音波診断装置による画像(静止画、動画)、血液検査や尿検査結果表など。

詳しくは、甲状腺検査詳細情取得手続きの簡素化については、「自己情報開示請求について」をご参照いただくか、ページ下部のコールセンターまでお問い合わせください。

検査の結果はどの位で届きますか。

甲状腺検査の結果は、およそ1~2カ月をめどに郵送でお届けしております。公共施設等の一般会場や学校以外の、県内・外の医療機関で受診された場合は、検査実施機関と福島県立医科大学にてデータのやり取りが発生するため、検査日のおよそ2~3カ月後をめどに結果を発送しております。

福島の甲状腺検査では、「5.0mm以下の結節」が認められた子どもについて、原則として「二次検査不要」として次回の一次検査を受けていただくこととしています。こうした判断はどのように決めたのですか。

「甲状腺超音波診断ガイドブック改訂版第2」(南江堂2012年発行)に準じて対応しています。

5.0mm以下の結節はのう胞(体液の溜まった袋状のもの)と区別がつかないものが多く、超音波所見上良性と判断されています。のう胞で20.1mmを超えるものは、のどへ圧迫症状が出る可能性があります。こうしたことを背景として、県民健康調査の甲状腺検査では、甲状腺がんの臨床特徴を理解している甲状腺学会その他専門医からなる外部の甲状腺専門委員会の検証を受けて判定基準を決定しています。

なお、A2判定となる5.0mm以下の結節であっても、次回(2~5年後)の甲状腺検査まででは間隔が空きすぎると判断した場合には、二次検査を要するB判定での通知をしております。こうした判定については、複数の専門医からなる判定委員会で行っております。

こうした小さな結節やのう胞は、超音波検査機器の進歩により探知できるようになったものであり、通常の診療でも、その存在自体が異常あるいは治療を要する所見とはされておりません。

「のう胞」、「結節」とはなんですか。

のう胞

「中に液体がたまった袋状のもの」です。健康な方にも見つかることの多い良性のものです。
のう胞の中は液体成分であり、がんに変わることはありません。数やサイズが頻繁に変わり、多くの方が複数ののう胞を持っています。
のう胞は、乳幼児期は少なく、学童期~中高生に多く見られることが分かってきています。

のう胞

のう胞は上の図のように複数ある場合が多いです。
(矢印で示す黒く映っているところがのう胞)

結節

「しこり」とも呼ばれ、甲状腺の「細胞が変化したもの」です。
結節には良性と悪性(がん)があり、多くは良性です。なお、5.0mm以下はA2判定としていましたが、二次検査を受けたほうが良いと判断された場合はB判定としています。

結節

上の図の丸で囲んだがところが結節

のう胞の中にしこりがある場合は?

のう胞の中に中身が詰まったしこりの部分(充実部分)がある「充実部分を伴うのう胞」といわれるものは、この検査では全て結節扱いとしています。
下図のような場合、のう胞中にあるしこりではなく、しこりを含むのう胞全体の大きさを記録します。10mmののう胞の中に5mmのしこりが認められる場合、「10mmの結節」と見なします。(5.1mmを超えているため)B判定となります。

判定結果の「A1」「A2」「B」「C」とは、具体的にどのような状態のことですか。

A判定は、のう胞または結節の有無によって2つに分かれます。

A1 : 
超音波検査によって、のう胞、結節ともに、その存在が認められなかった状態です。
A2 : 
超音波検査によって、大きさが20mm以下ののう胞、または5mm以下の結節が認められた状態です。

A1、A2のどちらも、今回はこれ以上の詳細な検査は必要がないと考えられることから、定期的に実施されている次回の検査を受診いただくようご案内しています。

BおよびC判定は、甲状腺の状態をより詳しく把握するため、二次検査の受診をお勧めするものです。B判定は超音波検査によって、大きさが20.1mm以上ののう胞、または5.1mm以上の結節が認められた状態です。なお、県民健康調査の甲状腺検査では、のう胞の中に結節と思われる充実部分がある場合、それをのう胞ではなく、結節として取り扱います。例えば、30mmののう胞の中に、3mm程度の充実部分があった場合は、「30mmの結節」とし、B判定としています。

C判定は、複数の医師による検討の結果、すみやかに二次検査を実施した方がよいとの判断をした状態です。甲状腺がんのリスク以外に、例えば、声帯の近くにのう胞があり、声が出しづらいことが推察されるため、日常生活を支障なく送るために早めの治療をお勧めする、といった場合を含みます。

その他

甲状腺がんには、どのような自覚症状があるのですか。

自覚症状がない場合が多いですが、甲状腺のはれが大きくなる、喉の痛みや発熱などが起きる、呼吸がしづらくなったり、食べ物を飲み込みにくくなったりするなどの自覚症状が現れることがあります。成人の通常の甲状腺がんの治療の多くも、症状がなく画像等で偶然に発見される場合が多いものです。

チェルノブイリでは子どもの甲状腺がんが多く発症した、と聞きますが、福島県は本当に大丈夫なのでしょうか。

今回の福島の原発事故は、よくチェルノブイリの原発事故と比較されますが、放出された放射線量はかなり少ない(およそ7分の1)とされています。

また、実際の甲状腺被ばく線量はチェルノブイリと比較し、極めて低いと見られています。これは、福島県では、放射性ヨウ素の影響が考えられる食物等の出荷規制や摂取制限が早い段階で実施され、甲状腺の内部被ばくが低く抑えられたため、と考えられています。また原発周辺の線量の高い地域から速やかに避難がなされたことも内部被ばくが低く抑えられた要因です。

甲状腺は体の表面に近いところにありますので、外部被ばくの影響を受けやすいと言われていますが、広島、長崎の原爆被害者や小児期に頸部へ放射線を照射する治療の経験がある方の場合には、現在の福島で知られているような外部被ばく線量よりもかなり高い線量で甲状腺がんの発症増加を認めているようです。一方、チェルノブイリでは、放射性ヨウ素汚染ミルクによる内部被ばくによって小児甲状腺がんが増加したといわれています。福島県でも現在知られている外部被ばくの線量では甲状腺に健康被害を及ぼすとは考えにくい状況ですが、放射性ヨウ素の内部被ばくについてはすべての個人について正確に分かっているわけではありませんので、被ばく線量からだけでは甲状腺がん発症のリスクは否定できません。

しかし、福島県での甲状腺がんの発生は被ばくリスクが高いといわれる年齢の低い方の発症が少ないことや、「県民健康調査」の基本調査の結果から、空間線量がやや異なっているにもかかわらず、浜通り、中通り、会津間の甲状腺がんの割合に地域差があまり見られていないなどの理由から、現時点においては、放射線による甲状腺の健康被害とは考えにくい、としております。

すでに実施した調査でのう胞・結節が認められた子どもについて、福島の原発事故との関係はあるのでしょうか。

県民健康調査の先行検査では、約半数の方にのう胞・結節などの所見が認められましたが、これらは放射線によるものではなく、超音波検査を行うことで、自然発症のものが小さい段階で発見されたもの(スクリーニング効果とも呼ばれる)と考えられます。B判定やC判定は、二次検査での精密な検査をお勧めするものであり、B判定やC判定の全てが強く「がん」を疑うものというわけではありません。

これまでの検査で見つかった甲状腺がんについては、

  • 被ばくリスクが高いといわれる年齢の低い方の発症が少ない
  • 現時点では、浜通り、中通り、会津間の甲状腺がんの割合に地域差があまり見られていない
  • 福島での甲状腺被ばく線量がチェルノブイリと比べて低いと推定されていること

などの理由から、現段階で見つかっている甲状腺がんは、放射線の影響は考えにくいと評価されています。しかし、低線量の放射線の影響をみるためには、長期間経過を見守る必要があります。今後も健康管理のために継続して甲状腺検査を受診いただくことをお勧めします。

成人の検査は必要ありませんか。

チェルノブイリ原発事故後に明らかになった健康被害として、放射性ヨウ素の内部被ばくによる甲状腺がんの発症があります。甲状腺がんは被ばく時の年齢が低いほど発症のリスクが高いことがわかっており、チェルノブイリでは、事故当時の年齢が0-5歳など年齢の低い層に、事故後4-5年経ってから甲状腺がん発症の増加を認めていることが問題とされました。このため、福島県の甲状腺検査では、万一のことを考えて検査対象者の年齢幅を大きくとり、事故当時18歳以下の全県民を対象に、この検査を行い、さらにその方々が成人した後も長期的に見守っていくこととしました。

二次検査で経過観察となり、保険診療を受けていた方が、経過観察中に甲状腺がんと診断されて手術を受けた場合、さかのぼって県民健康調査の「悪性ないし悪性疑い」の数に反映されたり、手術症例数に加えられたりするのですか。

ご質問のケースの場合、県民健康調査の「悪性ないし悪性疑い」数や手術症例数には反映されないことになっております。以下に理由をご説明します。

福島県県民健康調査の甲状腺検査では、二次検査で「悪性ないし悪性疑い」判定となった方の数を集計し、福島県が実施する県民健康調査検討委員会で報告をしております。
これらの方々が手術をお受けになった場合は、原則として公表が許されない診療情報として取り扱われるべきでありますが、県民健康調査の甲状腺検査が直接の発見動機となったこと、制度管理上、「悪性ないし悪性疑い」判定が適切であったかどうかを確認すべきであること、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う健康影響の有無を検討するうえで有益な情報となる可能性があることなどの理由で、特別に術後病理結果を照会し、検討委員会に報告をしています。この診療情報については、患者様および照会先医療機関のご理解とご協力により、今日まで報告が可能となっております。

それ以外の発見動機による症例、例えば、ご質問にあるような「二次検査では経過観察となり、診療として様々な理由で経過観察を行っている中で甲状腺がんが診断された」場合や、「県民健康調査以外のきっかけで病院を受診し、検査や診療を受けその中で甲状腺がんが診断された」場合などについては、手術実施の有無を含め、放射線医学県民健康管理センターでは情報を有しておりません。

関連学会が定めたガイドラインに沿って実施した県民健康調査の甲状腺検査二次検査の時点では悪性ないし悪性疑いとは判断されなかった症例すべてについて、患者様とご担当医療機関のご理解をいただきながら診療情報を詳細かつ網羅的に集めることは制度的にも倫理的にも困難なことです。

一方、甲状腺がんで治療を受けた方の症例数については、より高い精度で情報を収集・公表している制度が、県民健康調査とは別に存在しております。福島県内で治療を受けた方の症例の場合、福島県の「地域がん登録」で情報収集をしております。2016年1月からは、「がん登録等の推進に関する法律」に基づき、全国の医療機関は、がんと診断された人のデータを都道府県知事に届け出ることが義務化されましたので、その精度はより高まると見込まれています。

【参考1】

県民健康調査の甲状腺検査では、以下の場合に、その症例を「悪性ないし悪性疑い」数に含みます。

  • 県民健康調査の甲状腺検査を受診した。二次検査で「悪性ないし悪性疑い」と判定された。
  • 県民健康調査の甲状腺検査で、二次検査を受診し、「悪性ないし悪性疑い」ではなく、経過観察と判定され、保険診療を受けていた。その後、次の回(先行検査で経過観察の場合は、本格検査の1回目以降)の県民健康調査の甲状腺検査の時期になったために受診をしたところ、二次検査で「悪性ないし悪性疑い」と判定された。

下記に該当する場合は、県民健康調査「甲状腺検査」の「悪性ないし悪性疑い」数には含みません。

  • 県民健康調査の甲状腺検査ではない検査(例えば、症状等があり自主的に病院を受診し受けた検査、保険診療で甲状腺結節を経過観察している間に病変が変化したり新たな病変ができたりして受けた検査、何らかの病気で入院中または通院中に他の目的で受けた検査、市町村や各種団体等が独自に実施している甲状腺検査など)で、その検査をきっかけに、甲状腺がんと診断された。

【参考2】

地域がん登録を含め、がん登録については下記のサイトに解説がございます。

お問い合わせ

福島県立医科大学 放射線医学県民健康管理センター

〒960-1295 福島県福島市光が丘1番地

  • おかけ間違えのないようにご注意ください。
  • メールでのお問い合わせは、お返事を差し上げるまでに数日いただく場合がございます。
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