甲状腺検査の結果は主に「のう胞」と「結節」の有無や大きさによって判断します。ここでは、「のう胞」と「結節」の特徴と結果の考え方についてご説明します。
のう胞
のう胞は「中に液体がたまった袋状のもの」で、健康な方にも見つかることの多い良性のものです。のう胞の中は液体だけで細胞がないため、がんになることはありません。数や大きさは頻繁に変わり、多くの方が複数ののう胞を持っています。これまでの検査から、のう胞は乳幼児期に少なく、小学生や中高生には多く見られることが分かってきています。
のう胞は良性のものですが、20.1mm以上の場合は食べ物を飲み込みにくいなどの症状が出ることがあるため、二次検査の受診をお勧めしています。
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のう胞は上の図のように複数ある場合が多い。
(矢印で示す黒く映っているところがのう胞)
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のう胞の判定基準
複数ののう胞がある場合は、一番大きいもので判断します。
結節
結節は「しこり」とも呼ばれ、甲状腺の細胞の密度が変化したものです。結節には良性と悪性(がん)があり、多くは良性です。5.1mm以上の結節は精密検査にあたる二次検査の受診をお勧めします。なお、5.0mm以下でも二次検査を受けたほうが良いと判断された場合はB判定としています。
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上の図の丸で囲んだところが結節
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結節の判定基準
のう胞の中に結節(しこり)がある場合は?
のう胞の中に中身が詰まった結節の部分(充実部分)がある「充実部分を伴うのう胞」といわれるものは、この検査では全て結節扱いとしています。
図のような場合、のう胞中にある結節ではなく、結節を含むのう胞全体の大きさを測定します。10mmののう胞の中に5mmの結節が認められる場合、「10mmの結節」と見なします。
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