「この間、上の血圧が150を超えちゃってねぇ」「私なんか下が高くて...」。
井戸端会議や飲み会の"不健康自慢"で、とりわけ話題になることが多いのが高血圧ではないでしょうか。何しろ、高血圧は日本人の大人の5人に2人(約4300万人)がかかる"国民病"。男性の50歳以上、女性の60歳以上では、6割以上が高血圧なのです(下図)。
しかし、自覚症状がないため「年を取ればみんな高血圧になるらしいから」なとど、高血圧を甘く見ていませんか。高血圧を放っておくと高い確率で脳血障害や心臓病、腎障害などを引き起こし、やがてこれらの合併症がもとで死に至る危険が増します。実際、血圧のコントロールがよくない福島県は、心筋梗塞の死亡率が全国1位。脳卒中で亡くなる方の割合も全国8位です(2014年調査)。
心筋梗塞や脳卒中は、命を取り留めることができたとしても、日常生活に大きく支障を来たす場合がある怖い病気です。事実、脳卒中は要介護になる原因のトップ。ご家族にも大きな負担をかける可能性があります。
せっかく健診で高血圧を指摘されても、受診しない人が約半数いて大きな問題です。生活習慣を改め、必要に応じてお薬を内服すれば、これらの合併症の多くは予防できます。血圧管理は、自覚症状がないだけに続けることは大変ですが、健康を管理する上でとても重要です。「たかが」ではなく、「されど」血圧。このシリーズでは、血圧の豆知識をお伝えしていきます。血圧に関心を持ち、日々の健康管理を実り多いものにしていきましょう。
お問い合わせ
福島県立医科大学 放射線医学県民健康管理センター
〒960-1295 福島県福島市光が丘1番地
- ※おかけ間違えのないようにご注意ください。
- ※メールでのお問い合わせは、お返事を差し上げるまでに数日いただく場合がございます。
- ※医師、医師が所属する講座への直接のお問い合わせはご遠慮ください。